みたび 水無月のこと


1日(火)なんと早い時間の流れなのかしら。今日から6月。去年のことがつい昨日のことのように思われるのだけれど。
 プールに行って体重計に乗って、思わずギャハッ!このひと月、胃腸の具合があまり良くなかったので、てっきり体重が減っていると思っていたのに、なんと!先月から2キロ増えている。告白してしまえば、プールから上がった時点で、59キロプラスアルファ。考えたら最近、間食が多かった。そこでお昼はトコロテンだけにしたら、夕方近くなって猛然とお腹がすいてきた。
 どうにも我慢が出来なくなって、冷凍庫の中にあったホットケーキを食べてしまい、改めて体重を測ったら、なんと!60キロ。
 去年は旦那の看病で、食事を十分に摂っていても減る一方だったのに、それだけ苦労がなくなったということかしら。
 今年になってあっという間に3`以上増加の一途を辿っている。
 今月の大きな課題を抱えて、さあ、頑張るぞぅ、と気持ちだけは前向き。どこまで頑張れるかしら。

2日(水)例年だったらもうやってきている梅雨前線が、まだ洋上にとどまっているらしい。
 今年はひょっとしたら、カラ梅雨かもしれないとニュースが報じていた。
気温が上がって空気も乾き、このところ水撒きが日課となりつつある。昨日の夕方体重が大台に乗ってびっくり仰天したので、今朝は起きてすぐに体重計に乗ってみたら、1キロ近く減っていた。昨日の激変ぶりは何だったのかしら。
 午前中にプールに行く支度をして、ちょっとテレビを見ていたら、秘伝の「らっきょう」のじか漬けのレシピをやっている。
これ、知りたかったのだ。2度漬けは時間が掛かるので、是非今年はこれで、と張り切って鉛筆を握ったら、泥を落としたところで画面が切り替わって、鳩山首相の辞任報道が始まった。結局これにくぎ漬けになってしまい、秘伝のマニュアルは分らないまま。
 何方かに頂いた赤紫ののポロシャツを利用して、一日がかりで巾着を一つ作る。

3日(木)朝9時に息子が成田から電話をかけてきた。今日から当分のイタリア出張で、私が起きた時にはもう、車がなかった。
 「薬持ってる?」「え?何の薬?」「お腹とか、頭痛とか…」「大丈夫だよ、必要ならむこうで買うから」、電話の向こうから、ふふ、と笑う声が伝わってきた。つい余計なことを言ってしまうおばば、なのだ。
 この前会ったときに、帰りはミュンヘンから乗るといっていたので、大好きなチョコレートとブイヨン買ってきて、と頼んだけれど、覚えてるかしら。
 今日も晴天。朝のうちに銀行に固定資産税を払いに行き、焼きたてのフランスパンを買って、西に向かう。
久々の茅ヶ崎行き。最近ご無沙汰していたトモさんに、お目にかかりに行く約束が出来ている。
茅ヶ崎に降りたときに30分おきのバスが出て行ってしまったので、地下街に降りて、2人分のお弁当、おかき、エクレアなどを片端から買ったら、持ち切れないほどの大荷物になってしまった。
 茅ヶ崎の海はいつ行っても私を裏切らない。バスの中からちらちらと防風林の切れ目に顔を覗かせる海は、今日も穏やかだった。
 もし、もしも富士山が顔を見せていたら、海岸の歩道橋で降りようと思ったけれど、こんなに晴れているのに、西の雲は厚かった。2時間ほどお邪魔して、帰りの電車に乗ったら、眠くなって、横浜で降りるのを止めて品川まで。駅中をひとわたり巡って、何も買わずに帰宅。

4日(金)朝の整骨院での先生との会話。
「私、ついに大台に乗っちゃんいました」「へえ、そうなの?幾つ?」「60!!」
「それじゃあ……赤いちゃんちゃんこ着た?」「?!……、あら!歳じゃありませんよ、体重、たいじゅう」
この先生ったら、時々私をからかうんだ。「こんなとこに脂肪ついてる人、珍しいなあ」、なんて。
でも今日の会話は結構真面目だった。だからおバカな私は朝からなんとなくご機嫌が良かった。
 そのままプールに行って1時間歩き続けようと思ったけれど、あと5分というところで疲れてしまって、上がってしまい、ロッカールームで何の気なしに血圧を測ったら、ひえ〜〜、上が80下が46だった。
こんなこと初めての経験で、ただ少し疲れているだけで、気分が悪いわけでもなんでもない。
 ひょっとしたら昨日の茅ヶ崎の帰りに、電車で眠くなったのも関係があったかも。
明日も遊ぶ予定がびっしりなので、今夜は娘が差し入れてくれたハヤシライスで、早寝、はやね。

5日(土)朝テレビをつけたら、若い女性がたくさん竹刀を使っている。この頃一番はやっている殺陣の教室だそうだ。
次に出てきた画面を見て、思わず笑ってしまった。草食、肉食入り交じっての男性群が、真剣な顔をして、花を生けている。
おぬしら、ここまで来たか、という感じ。古い体質の私としては、複雑だった。
どうやらここいらで男女の定義にチェックを入れなければならないみたい。
 早目のお昼を食べて、コーラスに行く。今日の会場は、創立80余年の区立小学校で、広い体育館は言うまでもなくエアコンが無く、音出しになってからは、近隣に配慮して窓が全部閉められて、熱いのなんの。
皆、楽譜をうちわ代わりに使っている。この分では8月が思いやられる、と思いながらも、久々に取り組んだモーツアルトのレクイエムはとことん楽しい。
 じっとりと汗をかいた服を取り変えたくて、大急ぎで一旦家に帰り、マキちゃんのところに出向いていく。
今年2回目のお食事会。今日も15人がすさまじい勢いで、喋る、しゃべる…。
仲良きことに勝るものなし、といった感じで、十分楽しんで11時に帰宅した。
 今夜イタリアの息子から電話。元気そうでほっとする。

6日(日) ♪6月6日にあめざ〜ざ〜ふってきて……♪
かつて流行った子どもの絵描き歌の言葉。
 このところ毎年、6月6日になると、この歌が浮かんでくるけれど、予報が当たった試しがない。
今年もこの分ではカラ梅雨に終わってしまうのではないかと思ってしまうほどの晴れ続き。
その分洗濯には最高の日曜日で、久々に私としては大量の洗濯物を乾して、気持ちがいい。
 昨日パンパンに膨らんでいたアマリリスの蕾が、今朝になって2つ開花した。
今日は一歩も外出しない。辛うじて新聞を入れに門まで出たのと、山椒の実がいっぱいついていたので、ざるいっぱいとったこと、ついでに台所口の周りの雑草を気まぐれ程度にむしり取っただけ。
 夕方遅くなって、アウラのカクマツさんから電話。顔見せに来て〜と言われて、ちょっぴり気が動いたけれど、坂を下りるのが面倒で、今日は見送り。
 そういえば明朝のパンがない。それだけ買いに出るのが面倒で、そうだ、冷凍庫にパン粉にしようと思って、切り取ってあるパンの耳があったっけ、とそれで納得したところに娘が顔を出したので、そのことを話したら、しみったれたことしないで、と怒られた。しばらくしてパンを1枚ぶら下げてやってきたので、明日はちゃんと朝食が摂れそう。

                  

7日(月)朝のテレビで見慣れたコメンテーターの男性の顔をみて、おや?と見直した。
いつも見ている顔なのに、なんだか今日はとても老人顔に見える。
薄型の地上波テレビはこれだから油断がならない。私はテレビに顔を出すことがなくて、しあわせ、シアワセ。
 このところのさぼり癖で、なんだか実になることが何もないような気がする。
矢鱈と眠くて、やることがなくて、だからテレビを見ながら居眠りばかりしているという、人間失格の象徴のような毎日なのだけれど、それでもデイホームと整骨院は精勤。整骨院に行けば先生を相手に饒舌で口を閉じる暇もなく、デイホームに行けば1時間たっぷりと歌ってご機嫌なのだから、極楽ごくらく…といったところ。

8日(火)将来的には、整骨院通いを飛び石にする公算を立てているけれど、この数日何故か夜が寝苦しくて、どうやら布団を蹴飛ばして寝ているらしく、トイレに行きたくなって目が覚めることが多く、それが原因なのか、膝に痛みが走っている。
だから、すこしばかり大げさに痛みを訴えて、先生が手を抜かないような作戦を立てている。
 午後デイホーム行ったら、皆様は籠作りに余念がなかった。火曜日の皆様はとてもお元気で、こちらも楽しい。
菅内閣がスタートして、楽屋スズメのかまびすしいこと。ついこの前まで無責任な辞め方で、批判の的になっていた方が口角泡を飛ばして批判しているのが見苦しい。菅さんがどういう政策を取るかはまだ未知数だけれど、兎に角今はまだ誰も何もいうことはないのにな、と思うけど……。

9日(水)朝目が覚めてまず、「だれだ、だれだ、今日雨を降らせた雨女は」と心の中で叫んでしまう。
今日は潮来と佐原、そして銚子電鉄に乗るバスツアーの日なのだ。
 ユトリーバでこの間行った木更津と東京湾クルーズがとてもよかったので、それに味をしめて、またまた「はとバス」の遠足を計画したのだ。でも最初の雨雲は、晴れ女揃い踏みの私たちの旅で雨を降らせてはなるものか、という念力が効を奏してか、前半時折傘を広げるものの、あらかたは雲の隙間から明るい光がさして、またとない遠足日和となる。
 東関東自動車道は、成田空港に出向くときのおなじみだけれど、最近海外旅行から遠ざかっていたので、久々だった。
ほとんど渋滞はなく、すいすいと走るバスは、このうえなく楽しい。
憧れの銚子電鉄の、潮風をかぶって古びた姿は、どこか懐かしかった。犬吠岬灯台の100段近い階段を上る元気はさすがになく、灯台の周りを一回りして、あとは売店で珍しいものを買いあさる。
どうしてこうなっちゃうのかしら、と思いながらも、気がつくと荷物が増えている。
 佐原のあやめは4分咲きで、いっそ満開より風情がある。
今日も期待を裏切らない楽しい一日だったけれど、私にとっては、グループが7人で半端だったために引っ張り出した娘が、同行してくれたのが何よりのプレゼントだった。

10日(木)昨日の雨は何だったの?と言うほどの晴天が、朝から広がる。昨日の歩数は6000歩、と誰かが言っていたのを小耳にはさんだので、今日はそんなに運動不足ではない。歩いて体が消耗した分、昨夜はとてもよく寝られたので、気分がいい。
 そんなわけで朝からでれでれと時間を消費して、のんびりと午前中を過ごす。
それでもお昼近くなって、思い立ってプールに行ったら、昨日ご一緒したエイコさんがプールから上がるところだった。
 お元気だこと!と感心する。なんたって来年は90歳というご高齢なのに、元気すぎる!!
夕方になってセツコさんから頼まれていた「坂の上の雲」の文庫全8冊をブックオフに買いに行く。
ちょっと寄り道と思ってアウラに行って1時間。帰りにマーケットを出たら、雨だった。

11日(金)昨日アウラでみたブラウスが、朝から心の中で揺れ動いている。柔らかいピンク系の一枚が、気持ちをポジティブにさせてくれるような気がするのだ。今月は五島列島に行くことになっているけれど、そのピンクが隠れキリシタンの里といわれる西海に映えるような気がするのだわ……と今日も我ながら気ままな日。
 昨日からの湿気が体にまとわりついて離れない。こういう日は水に入るのが最善策と思いつつ、なんだか面倒で腰が上がらない。
 パソコンゲームをやっていたら、無性に眠くなって、1時間ばかりどたりとひっくり返ったまま。
夕方になってやっぱり買おう、と決心してアウラに行く。オランダ製の19,500円のが見きりで3,500円と、いささかやけ気味な値札を見てコットンの白いブラウスも買う。
 最近はずっと、「美脚小尻」のうたい文句の黒いパンツの2枚あるのをとっかえひっかえ履いていたけれど、この季節になるとやっぱり、うす色のが必要になってくる。帰りに通りかかった店で4,500円のベージュのパンツも買うことにした。
今日はもうヒッチャカメッチャカ。
 今夜はお嫁ちゃんと娘夫婦を呼んで、一緒に夜ごはん。息子から、「今ドイツに居る、仕事が明日で終わる」、と電話。

12日(土)今までで一番蒸し暑い日。今日一日のこの暑さを通り越すと、梅雨真近だと天気予報が言っている。
今日は洗濯日としては逃すことが出来ないらしいので、目につくものを片端から洗う。
 半年に1回の町会の古着回収日で、クローゼットの中からこの数年袖を通していないものを思い切って出すことにする。でも一駅離れたところまで、引っ張っていくには荷が多すぎて、隣の村民夫婦に最敬礼をして車で運んでもらった。
 随分ものを減らした積りだけれど、まだまだ家のなかは余分なものが溢れている。わが家の歴史に関わるものばかり。
 今月は税金月で、余分な出費があるので、一番倹約しなければならない時なのだけれど、ブラウスを2枚買ってしまったので、
 ささやかな倹約を試みるために、今日は一円たりとも使わない決意。只さえ冷蔵庫の中が込み合ってきているので、丁度好い塩梅。銚子電鉄の駅で買ってきた鯖カレーの缶を開けて食べてみた。鯖カレーと言うよりは、鯖のカレー煮。
でも1缶食べ終わる頃には、これは病みつきになりそうな気配。210円と超安価だったので、もう少し買ってくれば良かったな。

13(日)ここ数日旦那が毎晩夢に現れる。嬉しいことに2人で山に登ったり、ご飯を食べたり……。
なにか言いたいことがあるのかしら?しっかりとやってますから大丈夫ですよう。少しばかり羽目を外すことはご勘弁を。
 アマリリスが花を開かせたのは、つい数日前だったのに、このところの晴天と高温で、あっという間に終わってしまった。
花の命は短くて、苦しきことのみ……。まあ、私に関しては、こんなに気ままな生活を続けていては、愚痴を言う暇もないというところ。
 セツコさんに頼まれた「坂の上の雲」文庫版全8冊が整ったので、お届けに行く。
例によって楽しいバスの移動だけれど、今日は3つの路線を乗り継いで行く。そんな暇人は少ないらしく、どのバスもガラガラだった。
 来月にはホームに移られる彼女が、家の片づけのために心を砕いていらっしゃるのは、ほんとうに大変と、気持ちが理解出来る。頂いてきたお椀と汲みだし茶碗で、ゆっくりと夕ご飯を食べた。
 夜になって今朝ふっと考えていた鎌倉のカズコさんから電話を頂いて、ひとしきりのお喋り。
歌の道に蓋をかぶせてしまっていた彼女が、また教会で歌いだしたというのは嬉しいこと。学生時代一緒に勉強したことを考えると、止めてしまうのはほんとに勿体ないこと、と思っていたのだ。

                           

14日(月)朝から冷たい雨が落ちてきている。昨日は去年旦那が最後の退院をしてきた日で、今日からほんとうの意味での最後のステージの幕が切って落とされたのだった。
 病院から帰ってきて一晩明けた朝、嬉しそうに庭木の手入れをしていた姿が彷彿と浮かんでくる。
まさか、それから2か月余りの命だったとは考えもしなかったのだけれど、その時はあと10日と言われてから1か月も経っていたのだった。今思い返して、良い最後だったと思うことができるのは、私にとっても悪いことではない。
 今日はミノ夫妻がお茶の時間に来てくれるというので、デイホームから急いで帰宅した。
 夕方ミュンヘンの息子から電話。これから帰ります、という。頼んだチョコレートとブイヨン買ったかな?と思ったけれど、この前トランジットの飛行機に乗り遅れた、といっていたので、余計なことは聞かないことにした。
 ワールドカップが始まって、チャンネルはサッカーで埋め尽くされている。今日は深夜に日本の試合があるけれど、もう見ないで寝ることにする。結果は明日のダイジェストのお楽しみ。

15日(火)デイホームで男性グループのテーブルに歌のリクエストを取りに行ったら、通りがかりにす〜っとお腹をなでられた。
ドひゃ〜と思ったけれど、ただ「ああ、びっくりした」、と言ったら、目の前のいすに座っている人が、にこにこと天真爛漫に笑っている。横の人が、「先生と握手したかったんだよ」とフォローしたので、さりげなく握手してあげたらものすごい力で手を握られた。なかなか離してくれないので、しばらくそのままに握られていたら、別の人が、僕にも握手して、という。
 そうしたら、またとなりの人が……。はいはい、減るものじゃないからいくらでもどうぞ、と言っているうちになんだか無性に可笑しく、そして、嬉しくなった。あ〜あ、皆煩悩から抜け出せない人ばかり。
 ちなみに私がもてるのは、火曜日だけ。もうひとつおまけに、ここだけは私のこと美人と言って呉れる。
でもこれが皆様の元気のもとなら、人類愛こてこてのわたくし奴、労をいとわないのでござんすよ。

 夕方になって久しぶりに半蔵門の国立演芸場へ講談を聞きに行った。お相手はアツコさん。
東急デパートで小さなお寿司の折を買って、幕が上がる前のロビーで食べたら、とっても美味しかった。
 ご常連の講談師は相変わらず皆様とってもお上手で、しばしの夢幻の世界。
講談の好きだった夫とはよく通ったけれど、そういえば2年ぶりだった。帰りはしっぽりと雨に濡れて小さな傘にふたつの頭を寄せ合って満員電車に揺られて帰宅。
 今夜息子がイタリア出張から帰国した。鍵をあけて入ったら、リビングにブルガリのお財布とチョコレートのお土産が積んであった。気を使うなあ。

16日(水)昨日駐車場の横のコンクリートの塀が落ちた、と娘に聞いていたので、お隣に挨拶に行く。
実はお隣の小学生の坊やが、お友達とよくわが家の塀に野球の球をぶつけていて、気になりながら、黙っていたのだった。
 お隣とは父の代からのなが〜いお付き合い。一番「とらぶりたくない」お相手なのだ。これはお隣にとっても同じ気持らしい。
 この際誰も怪我をしなかったのが最高にラッキーだったけれど、今後のことを考えて、ボールをぶつけないで、と、それだけは申し入れた。
 でも、何十年も経っていささか弱っていたところに、起きた事件なので、わが家にも責任がある。
ちなみにお隣との境の塀は長さが10間以上あって、大昔の先代の時にどういう話し合いで作ったのか分らない。
 それにしても一人では持ちあがらないほどのコンクリートの塊がどうして落ちたのかが、不思議。
一家を構えるのって大変!とつくづく思う。

17日(木)梅雨入り宣言を聞いた途端に、もはや梅雨の中休みと報じているのは、言葉の使い方が違うのではないかしら?
 それにしても暑い。昨夜は完全に熱帯夜で、今シーズン初めてクーラーをつけて寝た。
余りにも暑いので午前中からプールに行って1時間水に浸かっていた。
 日吉の東急でおいしいトコロテンを売っているのを思い出して、中華街のラーメンなどと一緒に仕入れてきた。
これで当分楽しめる。
帰りに駅の3階の本屋で、セツコさんにお頼まれした「剣岳点の記」の文庫本を見つけて買い、夕方近くなって届けに行く。
 今日は足の具合が悪くないので、目黒通りから家まで、街の谷を下ってあがって、20分歩いて帰ったけれど、調子はいい。

18日
(金)朝からテレビを見て怒り心頭。若い女性に対する「自分が嫌になる時」という質問に対するわがまま放題の答えが許せない。
「なぬ?仕事中の彼氏に会社を抜けておにぎり1個を買いに行かせたと!」「なぬ?既婚者の男性と付き合いながら、友達の彼氏とも付き合っていると!」「なぬ?家事一切はお姑さんにやらせてるだと!」私って良妻賢母!と改めて認識。
 お昼に藤沢駅の市民ギャラリーで開かれているリュウイチ兄夫婦の写真展を見に行き、久しぶりで兄弟が揃って会食。
 そうだ!トモさんのところにパンを届けようと思い立って、デパチカのドンクでフランスパンを買って、車で送ってもらって茅ヶ崎へ。
 トモさんは電話をしてすぐから、雨の中で立って待っていてくださったらしい。
焼きたてでないのがつくづく残念だったけれど、喜んでくださって、お届けできたのが私も嬉しかった。
 帰り道、横浜駅の中で、とてもいいコーヒー屋を見つけて、ヨウコおばちゃんとゆったりと時を過ごし、お昼に兄がご馳走してくれた中華料理のことを思いながらも、定番の崎陽軒のお弁当をやっぱり買ってしまった。
 梅雨は本格的とか。夕方激しい降りの中を、小さな折り畳み傘ですこし濡れて帰った。
坂の途中で、ヤスコさんとバッタリ、うちに寄って行って、と言ったけれど、夕方なので夫持ちの彼女は帰るという。しばらく立ち話。帰ったら鬼千匹のような娘が目を吊り上げて怒っている。夕方になったので雨戸を閉めに来たら、リビングが網戸になっていただと!「ほら、おとうさん今日笑ってないわよ、怒ってる、怒ってる」、と言うので、仕方なく「ごめんなして」、と平謝り。2重サッシにしたって、閉めてなきゃねえ!

19日(土)朝どうやら上がった雨の空を、露を踏みながら新聞を取りに出たら、長年小さな鉢の中で、たった1回のピンクの花を咲かせたまま、ずっと眠っていた子が4つの花を開かせていた。
 東洋ランの一種だと思われる、もうずっと以前にお隣から旦那が頂いてきたこの花が私たち夫婦は大好きだったけれど、何故かわが家では咲くことがなく、奥様と旦那とが、どうして?と首をかしげていた姿が彷彿とする。
 去年はその2人ともが前後して旅立ってしまったのに、花は何を思ってあでやかな姿をみせてくれたのかしら?
 花には不思議なことがある。
先月書いたアマリリスの花もそうだし、入院から一時帰宅した夫が植え替えた薔薇は、亡くなる寸前に大急ぎで、という感じで前後して2つの花を咲かせ、もう外に出て花を見ることができなくなった彼のために、息子が写真に撮って病室に飾ったけれど、その時は、そんなに思い入れが深かった薔薇に、旦那はもはや感動する様子も見せなかった。
 そしてこの花も、今年は力尽きたか、ついにひとつも咲かなかった。玄関前に自生してどんどん株を増やしたアガパンサスは、今や30もの花をつけ、これは旦那に見せてあげたかったな、と思う。
 髪がなんだか綺麗に纏まらないと思って、カレンダーを見たら、この前美容院に行ってから、もはや1か月を過ぎている。
午後の予約をとって、やっとさっぱりと夏支度が出来て、夕方から大井町にコーラスに行く。
これは半分はキョウコさんとのお喋りが楽しくて。そして、何よりもこのモーツアルトのレクイエムを、夫へのプレゼントにしたくて、せっせと歌いにいっている。

20日(日)昨日の帰りに坂の途中で突然足に痛みが走り、それが夜半になるにつれて、どんどん痛みが増してきた。
このままでは寝られないと思い、朝方3時に読みかけの文庫本を持ってお風呂に1時間入った。
どうやら久々に起きた坐骨神経痛らしい。運悪く日曜日なので、自力で直すことにし、滅多に飲まない痛み止めと安定剤を飲んで薄明かりの差してきた早朝にもう一回寝なおし、次に起きたら10時半!でも痛みはどうやら収まっていた。
今日はだから外には出ないことにする。
 引き出しの中から、何方かに頂いたベネトンの可愛らしいハンカチが出てきたので、一日かかって旅行に持っていく薬入れの袋を作った。色の合う黄緑のフェルトを蓋にして、可愛さに惹かれてネパールで買ってきて、裁縫箱の中で眠っていたフクロウの白いボタンをつけて、刺繍で止まり木と鳥小屋をちょいちょいとつけたら、我ながら満足の出来。
 来週は五島列島に行くことになっているので、何が何でも痛いなどとは言っていられないのだ。
 今日の風はすさまじい。むんむんと湿気ているけれど、クーラーをつけず窓を全開にしていたら、みんなぶっ飛んでしまい床はざらざら。
 テレビがつまらないので、録画しておいた「鬼平犯科帳」と「北欧の船旅」をつけっぱなしで見ていた。

                    

21日(月)流石に床の肌触りが気持ち悪くて、今日は念入り(わたしにしては)に床掃除をした。
暑がりの私は、外から帰ってくるとたちどころに靴下を脱ぎ棄てる。だから足の裏の気持ち悪さに耐えられないのだ。
 でも、今日は腰痛で、歩くのが大儀。お昼過ぎにのろのろと支度をして、やっとのことでデイホームに行ったけれど、行けばたちどころにその気になって、我ながら変わり身の早いこと。
 帰りの暑さにさすがにへたばって、1時間ほど昼寝をしたところに、ヤスコさんが整骨院の帰り道に寄ってくださり、2人であり合わせの夕食を楽しんだ。やっぱり食事は一人より二人のほうが何倍も楽しい。

22日(火)気がついたら昨日は夏至だった。道理で夜が明けるのが早かったわけで、夕べもテレビを見過ぎて寝そびれてしまい朦朧とした頭で、のろのろと起きる。
 今日も一日暑かったこと!だから午前中は何がなんでも体を動かすのは止めにする。
一週間前に買ってきたヨコハマのラーメンが気になって、この暑いのにお昼にぐだぐだと火にかけて食べたら、どっと噴き出した汗で、体じゅうべたべた。これからの2か月から3か月、暑さに弱い私は過酷な戦いの中に放りこまれると考えたらそれだけで生きた心地がしない。
 今日は水を飲み過ぎて1キロ増えた感じだけれど、デイホームでほとんど無理やりといった感じで誘われたおやつの席に加わる。
 帰ろうとしたら手を握って離さないおじいさま、チョコレートを分けてくださる方。この場だけは私って男性にもてるなあ。
 今日も恒例の最後の「365歩のマーチ」をやろうと思ったら、「東京音頭」のほうがいい、とおっしゃる方があって、サービス満点のワタクシメ、あわてて楽譜を探し出す。でもこの「東京音頭」は皆を元気にする力があるのだ。
 これからこの路線でいこうかな。お友達から子どもの頭ほどの大きいメロンが届いた。早速だんなちゃんに進呈。一週間後のお楽しみとする。

23日(水)ユトリーバの臨時例会の日だけれど、今日は集まりが悪い。
ほんとうは来月のデイホームに向けて、一番集まってもらいたい日なのだけれど、今日の出席はたったの4人で、肝心のコーラス練習もおぼつかない。
それでもなんとか1時間練習に時間を費やして、あとは夕方までのんびりとおしゃべりタイムとする。
 来月のデイホームの夏祭りに出来るかしら、ととても心配なのだけれど、相手あってのことで、私一人頑張ってもどうしようもない。最近は都合のつかない人が多く、こういうときに、そろそろ止めどきなのじゃないか、と考えてしまう。
 面白いことに、今日は出席者全員がおせんべいを持ち寄った。だから今日はお煎餅の頒布会みたいだった。
ゆっくりとできる人が2人残られて、6時半までお喋りに花が咲く。今夜の夕ご飯は、レイコさんがお昼に買ってきてくださったサンドイッチでおわり。

24日(木)今日も暑い予感。
今日は片づけものやら、なにやらでのんびりと過ごす。でも、整骨院は予定のうち。
 冷蔵庫の中がそろそろいっぱいになってきて、捨てるのは勿体ないし、さりとてこれを今月中に全部片付けるのもむり。
だから今日も何も買わないことにする。少々野菜不足気味だけれど、まあ、しょうがない。きゅうりでもかじっておくか。
 なんとなくゆったりと風が吹き抜けていき、多少の湿っぽさはこれで許して、窓を全開にする。
それにしても庭じゅう草だらけで、なぜか一番勢いのいいのが赤シソ。去年までその姿すら見かけなかったというのに、今年は売るほどの紫蘇ジュースが作れそうで、毎年いくら食べてもなくならなかったほどだった青紫蘇は、今年全くその姿を見ない。思いついたようにテラスに降りてすこしづつ草むしりをしていたら、白すみれがたくさんはびこっていた。
 来年の春は、きっとリビングの前が真っ白になることと、今から楽しみ。

25日(金)〜27日(日)
 今日から2泊3日の五島列島の旅。運よく、鹿児島に出張するという息子とタイミングが合い、早朝の羽田空港まで送ってもらい、JALとANAに別れて西に向かう。今回は、この間の日帰りバスツアーで練習済みの「おひとり様限定」の旅で、総勢22名ということだった。最初はぎこちない隣同志も、長崎に着くころには打ち解けて、見渡したところ、旅慣れた人たちばかり。
 今回は予想外の大雨に2日間見舞われたけれど、30代から70代と思われるメンバーは皆様楽天的で、ポジティブで、「滅多にない忘れられない貴重な経験」と、負けおしみもちょっぴりありながら、大雨の中を嬉々として楽しんでいらっしゃる。
 特に圧巻は、豪雨の中の島めぐりだった。小さな海上バスは、空からのしぶきと大波をかき分け、ぶんぶん飛ばして、豪快さはこのうえない。
 海上からしか見えないという隠れキリシタンの洞窟などは、現地ガイドさんの巧みな話術もあって、タイムスリップしたような臨場感を味わった。
 旅のテーマが「隠れキリシタンの教会巡り」ということで、中通島、若松島、奈留島、久賀島、そして一番大きな福江島と、5つの島からピックアップされた教会を次々と移動しながら見学する。
 クリスチャンでない私だけれど、教会の雰囲気はとても好きで、鄙びた島のあちらこちらに散らばる美しい教会巡りは、穏やかな時を過ごせた幸せな3日間だった。その間中通島のホテルに連泊、小さなホテルだけれど、一人ずつの部屋を手配されて、料理も獲れたてのあおりいか、イセエビ、うに、くじらなど、島特有の料理に加えて五島うどんが絶品だった。
 福江島のもと学校の先生だったという男性ガイドさんから、「文科省推薦のグループ」と褒められるほど、どこに行っても、きめられた時間の10分前には全員集合するというお行儀のよさも、今回の旅を快適にさせ、夜になっての川べりのホタル狩りがおまけについた、満足感いっぱいの3日間は最高だった。
 最終便で降り立った羽田はもう予定していた空弁の店も閉まっており、流れ解散の中で、顔を合わせた人同士が、「またどこかでお会いしましょう」と、どこに住んでいるのかさえも聞かないままのあっさりとした一期一会がなんともスマートだった。味をしめてまたどこかに行こうと考えている。


                  
28日(月)3日間バスやら船やらとあわただしく移動したつけで、今日はいささかお疲れ気味。
だから午前中は何もせずにのろのろと動いていたけれど、お昼近くなって薬が切れていることを思いだし、整形外科の先生のところに行った。この間から旦那が飲み残していた薬があることに気がつき、これは今私が飲んでいる薬と同じなので、恐る恐るお伺いを立てたら、先生があっさりと、もったいないから今月はそれ飲めば?といってくださり、無駄に捨てないでよかった、と思う。
午後、デイホームに行ったら綺麗な花が飾ってあり、庭にいっぱい咲いていたので、厚かましいかな?と思いながらおねだりをして、3本ほど頂いてきた。旅から帰ってきたら旦那ちゃまの花が枯れていたけれど、坂を下りて花屋に行く元気がなかったもので。夕べ帰って来た時、なんだか怖い顔に見えた彼だけれど、今日はご機嫌が直ったらしい。子どもみたい。
                        
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